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工事工事工事用のランプランプランプ 工事人夫の姿もない 工事現場の夢を観るのは おのれの精神構造改革を望んでいるからという いまさらなにをどのように工事するというのか いやいや耐え忍んでツルハシを振り上げれば このしわくちゃの海馬あたりまで大きく掘り返せるかもしれんな Sラインを廃止しMラインとする マティス駅に到着 リキテンシュタイン方面に イこウとシたイかレたオっキゃくサマは ガァでお乗りガァ替えガァください 実に不親切で不愉快で不自然で不毛にみえるNYCの地下坑道の旅だが 実はそこを奔りつづけることで金魚はすばらしく輝きつづけることとなる 奔る車輛のなかを猛スピードでまえにうしろに奔りまわる シロウトには矛盾にあふれた運動のように映るだろうが じつはガモフ先生が解説された相対性原理展開図 急行車輛のなかで奔る金魚は各停車輛のなかで奔る金魚よりもわずかに速く そこで起こる四次元の効果で 寿命まで1億分の1秒程度だが長くなる これをマンハッタン効果という 前方約4分の1マイル地点のムンク駅で 女性客がホーがぁムから だれかに突き落とがぁされ来たデンがぁシャがぁにはねられてしまいました Sラインはもう金輪際動かないと思われますガァ Mラインも運行やーめタがぁ 突然のスケジュール変更にも 乗客のだれもが文句を言わない みんなが「静物化」してしまった ということなのだろうか どうしてもこの先に行きたいと思ってやまない方は 8ライン・無限大駅まで戻り それからひどい吹雪の日のイーハトヴの駅で乗り換えてください それからそれから ぼろぼろの外套を着た赤ひげの「鳥捕り」が乗ってきますから かれに「雁のクッキー」をもらってください それがそこから先銀河鉄道乗り入れのティケットとなります 静物としての金魚は 雁のティケットをもち 濁流を力強く昇る格好をする 金魚のぼりとござい ドビュッシーの描く「金の魚 Poissons D'Or」はまさに輝いた魚だが ニューヨークの金魚はいつもそんなに力強いわけではない ときに静物として 座席にあまえる それでもときに車輛のなかをイッショケンメイ奔りまわる 相対性四次元!と叫びながら 足のないひと 手のないひと 手と足のないひと カラダのほとんどないひと しゃべれないひと 見ることのできないひと 聞こえないひと アタマがどうも調子わるくてリカイということがしにくいのです と書いた紙をもったひと すべての人間は キチガイ メクラ ツンボ ビッコ などになる可能性があるのだから このように端的に書いたほうが… えっ やめてください サベツ用語だから文字にしちゃだめだ この詩はシュッパンできません いやいや文字でサベツなんかできんでしょうガァ 文字のウラのことば ことばのウラのイシキ というものがいつもサベツをしてるんですよ まあそういったサベツされつづけているひとたちが この地下鉄にはワンサカお乗りになってきます そしてそこではサベツはより明解になる サベツ曼荼羅電鉄ガァ 働けないひと 家のないひと オカネのゼンゼンないひと むろん乗車賃などもありません こういったないないづくしのひとたちなんぞ 日本だとまったくデンシャに乗ることができないざますワざますガァ ひたすらほかの場所でひたすら静かに 静物化されてしまっているわけざます トーキョーには地下鉄が網の目のように走っているが どのラインに乗っても ないないづくしの影はなく 明解なサベツはまったく観えてこない が そのウラには恐ろしく冷酷で陰湿な より大量のサベツが宿っているのをビリビリと感じる ニューヨークの地下鉄 の 被サベツ者たち 金魚 ボーフラ ミジンコ 水藻にいたるまで 生物である以上 静物であることを拒否しはじめ ひたすらサベツに耐える 耐えつづければ 人間のもつその本能のような 個を隔絶したい 他は受け入れがたい という実にくだらない感情が ますます まことに実に正確にばかばかしくショーもなくアホらしくなり やがて生物として 歌いはじめ 踊りはじめ サベツをしないできない仲間を募り いつのまにか一大パーティーとなる 地下鉄車輛内に住んじゃったひともいらっしゃいます なにせ冷暖房完備だからね この夏50%も増えたホームレスの方たち 冬になってもどうぞシェルターなんぞに行かないで どうかこのサベツ曼荼羅電鉄をご利用くださりませガァ すぺあちぇんじ ばくしーし そのかわり踊ります 歌います なにも芸のないひとも ひとこと God Bless YOU! といい ひとびとをしあわせにいたします とある午後 乗っていた車輛から黒い巨大な遺体が運び出されるのに出くわした そのかって人間であった静物は 完全に横たわらず プラスティックの背もたれと 家財道具の入った黒いゴミ袋とに 寄り添うように挟まれたまま 終点から終点に 半日以上運ばれつづけていたという その黒い巨体には 多分 相対性四次元効果は生まれず 周囲のだれもが気づかないうちに 静かに静物となり 停車時間わずか5分で 搬出された 壮絶な地下鉄車輛での死 しかしながら こうも考える 電気代が払えず暗黒の 灼熱のウサギ小屋のような家のなか 何年ものあいだ 寝込みつづけ ひたすら静物でありつづけ 熱中症で逝ってしまった日本に住むとある孤独な老人とくらべて はたしてどちらが壮絶であるのか どちらの地が サベツ曼荼羅であるのか もうひとつの検証 アンリ・マティスの Goldfish and Palette と題されたこの絵をご覧くださりませ 場面左中央を奔るこの大きな闇のベルト なかに金魚のいる白いテーブルが浮いている ここでの金魚は 闇の坑道に浮き彫りとなり 絵のなかの金魚を明解にサベツし 静物であることすらもやめさせる もともと生物なんだからね もはや金魚は静物で在りつづけることができない なにかを主張しなければならない ないないづくしのひとびとは その異常に過酷な体験の連続に 静物ですら在りえず やむなく 立ちあがる ひたすら地下鉄の坑道を塵芥となり 踊りつづけ 歌いつづけ 舞いつづける 思いがけずも そこにはいまやサベツのかけらも消えてしまい ひたすら「自由」がある がぁ! Inspired by the exhibitions of: Henri Matisse; "Radical Invention 1913–1917" July 18 – October 11, 2010 at MoMA NY Roy Lichtenstein; "Still Lifes" May 8 - July 30, 2010 at Gagosian Gallery W24th St. 地下鉄関連エッセイ:NYC地下鉄にはじめて乗った体験記=「メトロに乗って — 精神の温暖化」
by nyckingyo
| 2010-09-05 03:34
| 浮遊的散文詩歌
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