by NY金魚
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すてきな旅はつづいていますか。 そしてすてきな部分のみならず、過酷なるその部分も恐れることなく闘いつづけているあなたに感激している昨今です。 このひと月あまり、自分の分裂症的性格をつきつめ、我ながらにおどろき、そのクレィジーをたしなめ、そのタフさを喜んでいます。 内観の旅はそろそろ極限にせまり、社会(毛沢東は中我と称します)に対する個人からのメッセージを伝えあう時代にはいります。 内なるあなた(小我)がすなわち、外側の宇宙(大我)そのものすべてであるという確認。 それはまぎれもなく新しいパワーとなり、ひとが生まれて生きていく意味そのものであり、使命でもあるわけです。 こんなあたりまえのことを表現することがむずかしかった人類の過去のながい時代とは、いったいなんだったのか、いま考えると不思議なぐらいです。 あなたのメッセージが刻一刻近づいてくることを強く感じています。 人間の発するメッセージとは、永くつづけばつづくほど、放物線状の頂点へと無限に押しあがり、そのスピードは亜光速となります。 考えてみれば、からだのなかの細胞は、たえず電子運動をくり返しているわけですから、われわれの存在そのものが亜光速で動いているのではないでしょうか。 ひとりの肉体は60兆個の細胞から成り立っていて、毎日そのうちの15兆個が死滅し、日々それを補っているのです。ひとりの体内で1秒間に 5000万もの細胞が入れ替わっていてなんとかつじつまを合わせているということです。このような物理的な不安定感とは別に、われわれの精神の存在がまったく不確定で不条理に満ちていることも、全員が感じつづけていることです。 肉体=精神は毎瞬猛烈に変化をしていて、たえずお互いにちがう物質(人間)を観ているのに、たとえば映画のフイルムがまわり映像が動きだすように、連続体としておなじ人間が動いているように見えているだけかもしれません。これはヒンドゥー・ヴィシュヌ派の教義ですが、われわれが観ている現実というもののなかで、ほとんどおなじ感覚をくり返し体験しています。さっきまであんなに近かったあなたが、もうそこにおなじそのかたちでは二度と戻ってこない。 そしてそのなかでかろうじて、われわれのこころ(精神の中枢)というものだけが永遠に不変であろうとこころがけている感じがします。 実際には朝から晩まで一瞬ごとにめまぐるしく奔りまわっているように感じるこのこころというものは、その最終の着地点を決定するための検索運動をつづけているともいえます。 あなたの肉体そのものが亜光速艇で、こころとはその艇をリードしている船長ということではないでしょうか。 艇も船長も亜光速で進行中の物質ですから、無限に質量が大きくなります。すなわち肉体をもって現世に生まれつつあるあなたは、その人生のあいだ中、時間を超越して大きく育っているということになりましょうか。 ヘッドトリップの文章になりましたが、今回の個展のコンセプトのひとつです。ぜひご高覧のうえ、ご批評などを。 ではまた地球という亜光速艇のうえでの出逢いの日まで。 NY金魚 上の文は70年代に、いまはなき日本橋・田村画廊での個展「亜光速艇のなかでの朝食」の際、メッセージとしてご来場の方々にお配りしたものです。その後、亜光速艇・NY金魚は飛びつづけ、その翌年には太平洋を渡りきって、カリフォルニアに上陸しましたが、30年後の21世紀にも、僕のメッセージはまったく変わっていないし、現在のほうがご理解していただける方が多いのではと思い、転載しました。 収穫の秋だというのに、日米どこへ行っても腹立たしいまでの権力闘争の茶番劇(米・民主党公演を含めて)は、およそ「過酷なる旅」などとは言いがたく、それを見つづけてしまう不条理に、自分自身に対しての強い憤りをまっ先に感じてしまいます。それでも人類同士の殺戮が少しでも減ったり消えたりするための劇であれば、つきあった方がいいのでしょうか。亜光速艇の軌跡が美しいまま残るための基本的原則を犯しつづける人類。 せっかく亜光速で旅をしているのだから、せめて自分にとって新しく有益なイメージたちを少しでもこころのなかのディスクに取り込まねば、もう時間が限られているのです。悪い想念は悪い結論を導く導火線になりえます。もうすぐ9-11ですが、追悼の意志以外になにも書くときではない、とも思います。 最近読んだあるひとの談話の引用ですが、大好きな孔子の話があります。子の優秀な弟子だった再求に「伺候(貴人に仕えること)しませんか」と口がかかりましたが、再求は自信がなく断りました。それを聴いた孔子が再求を諭されます。「人間は、宇宙の根源である天(大いなる存在)が結晶化して地に現れたものだ。天はひとりひとりの持っている持ち味を通してなにがしかの理想を成就しようとされている。もしお前が、自分はだめだ、自信がないと逃げてしまったら、天に与えられたチャンスを失ってしまうのではないか」その諭しに奮起した再求は、ついに論語に名が記されるほどの存在になったそうです。 孔子は2500年前のひとですが、この部屋のなかのすぐそこから僕にむかっておなじように諭され、またまた目ざめてしまいました。時空を飛びこえたことばの亜光速効果です。 そういえば昨日観た映画、ウイリアム・バロウズ原作の「裸のランチ」のなかでのビルも「タイムマシンを使えばいいじゃないか」と軽く言いながし、みずからゴキブリ型のマシンのなかにはいり込みます。以来かれのすがたを近所で見かけなくなりましたが、かれのスススすざましい体験は、孔子のことばと同次元ですぐそばにぶらさがっています。そういえば亜光速艇君はタイムマシンの役割も兼任しているのでしたね。よしよし。 折しもイースト・ヴィレッジのトンプキンス・スクエア・パークでは先週末、そのバロウズの生涯の親友(もっと深い亜光速の関係)であった、アレン・ギンズバーグを偲ぶハウル・フェスティヴァル Hawl Festival がありました。ハンサムだったビルにくらべて、アレンは少々見栄え落ちしてたけど、長編詩 Hawl は美しいすがたの人類をとり戻す叫び声として、多くの人の耳に永遠に残るでしょう。サンフランシスコの書店での朗読会や、ロック・コンサートで聴いた彼の声は、透き通った地球艇の美しい軌跡を観る思いでありました。 さてこの時空を超越してしまった僕の個展でのBGMは、ビートルズ、イーグルス、そしてピンクフロイド「原子心母」のなかの『サイケデリック・ブレックファースト』などでした。当時は現代美術の画廊にポップス音楽をもち込むなどありえず、東野、中原、針生の御三家以下、美術評論家諸氏にはけっこううけたようで、みなさんニタニタして、このラヴレターをもってお帰りになったという画廊オーナーの報告をよく憶えています。 それでは、当時の予想どおりいまや古典となってしまった Pink Floyd の Alan's Psychedelic Breakfast。
by nyckingyo
| 2008-09-09 05:44
| 見えないものとの対話
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